カスタマー平均評価: 5
真に役立つ和英辞書! この辞書は、質・量ともに、現存する和英辞典の中で最高のものである。よって、電子辞書(この方が便利)を購入する場合、この辞書が入っているかどうかを基準に選ぶのもよいと思う。用例が多く、訳の質も奇をてらったものではなく、あくまでも日本人にとって“安全”で正確な訳し方になっている点で、安心して使うことができる。しかし、すべての見出し語に用例が出ているわけではなく、他の辞書のバックアップを必要とする場合があるが、全体的に見れば、そのことによってこの辞書の評価が下がるということはない。英文を書く機会の多い私にとって欠くことのできない1冊であるとともに、その有難さに感謝の気持ちで一杯である。さらに、分かりきった日本語を引いても、その度に発見があるので、時間を惜しまずせっせと引くことにしている。本辞典は、「日本語を介して英語を学べる辞典」として最高のものであると思う。 最近助けられたこと・・ インターネットで医学情報を必要とする事態が生じました。犬の「前庭疾患」について知りたいと思ったのです。日本語のweb上では十分な情報を得られなかったので、英文のそれも見ることができればと思いました。そこで問題となったのは検索語句として入力する「前庭」を英語でなんと表現するかという問題です。オンラインの和英辞典では答えを得られませんでしたが、所持していた当該辞書にはチャンと出ているではありませんか・・。帯に記されている『48万項目収録 最新・最大・最強の和英!』という言葉はダテではありませんでした。(ご報告申し上げます) 待ち望んでいた物がついに出た! はじめに気がついたのは、日本語のアクセントが省略されていることだ。日本語学習者もこの辞典を利用していると聞いているので、アクセントが消えたことは残念だ。最近のテレビでレポーターが、「この事件の背景は.....」言っているつもりだろうが、「背景」を「拝啓」のアクセントで言う人が多いので、心配だ。 「ロン毛」「イタ飯」「イケメン」のような口語的、俗語的な語彙、はやり言葉、さまざまな分野の新語が載っているのに驚いた。第4版の良いところを引き継ぎ、新しい言葉を取り入れる研究社の姿勢に頭が下がる。68歳の私には上述のような言葉は、パッと聞いても、一瞬判らずあわててしまう。このようなときに私は和英辞典を引くのだが、今まで「イケメン」なんて言葉が載った和英辞典がなかったので、意味を息子や娘にソーッと聞いたものだ。 私は新米通訳の端くれですが、通訳・翻訳の仕事をしている人にとって、これは文字通り、日本で最高の和英辞典である。 29年ぶりの大改訂、納得できる内容 情報量が65%アップになっているという。「代行」「委託」「担当」など実務翻訳で頻出しながらもなかなか適切な訳語が見つからないものや(本書の訳も必ずしも十分とはいいかねる場合もあるものの)、「こく(のある料理)」といった日常語も詳しく記述されている。個人的には「エリンギ」の訳語がでているのを見て、これはすごいと思った。 日本の事物の英訳を充実している。「なまはげ」もでているし(『グランドコンサイス和英』にでていた)、「新古今和歌集」(『グランドコンサイス和英』にでていない)の訳語もでている。 日本語用例の充実を謳っている点は、確かに充実しているし、多義語の意味の分析も細分化されてすばらしいと思う。ただ、たとえば「きれ」の項目には「切れのある味」という!義はでていないし、「イメージ」のところには、「今回のプロジェクトをイメージで表すと」というような場合の「イメージ」の用法がでていない。いずれも日常的に使用する用法だと思う。 ともあれ、これだけの和英辞典が出たことは慶賀に堪えない。願わくば5年、10年ごとに改訂が継続されんことを。 (辞書のはなしになると必ずCD版のはなしになるが、最新版の『新英和』がまだCDになっていないことを考えると、当分は期待できないのだろう・・・残念なことだ)
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